著者
鬼塚 史朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.349-356, 1997
被引用文献数
1

科学と社会,両者の接点にコーヒーの姿がみえる。ギリシアを始点とする自然科学と,アラビアを原点とするコーヒーは,イタリア,フランスをへてイギリス,アメリカへとその舞台を移した。その間コーヒーは,科学と社会の間にあって,相互作用因子としての機能をはたした。18世紀中葉,コーヒーはイギリスの地にしばしの安息を得るが,この間にイギリス文化の基礎を築き,その地に近代科学を育んだ。しかしロンドンとパリではその様子は大きくことなっていた。そこにはイギリスとフランスの国力や社会制度のちがいがみえる。英語と仏語の間にも文化的闘争があった。ロンドンのコーヒー店はイギリスの社会制度を育んで自然科学の確立に寄与したのに対し,パリのカフェーは社会科学の揺動因として社会変革の震源となった。本稿では,コーヒー店を視座に近代科学成立の要件をさぐる。

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