著者
本井 康博
出版者
基督教研究会
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-22, 2008-06

論文(Article)同志社神学校の初代神学館、「三十番教室」は、その実態が究明されたことはない。2代目神学館のクラーク神学館も設立経緯については、おおよそのことは明白であるが、なぜ、ニューヨーク州ブルックリン市(現ニューヨーク市)在住のクラーク夫妻が、多額の建築資金を同志社に捧げたのかは、不詳であった。これには新島の死去に伴う同志社校友会による新島記念神学館新築計画やアメリカン・ボードのN. G. クラーク主事(N. G. Clark)の働きが深く絡んでいる。つまり、新島は死後、「ふたりのクラーク」の心を突き動かして、神学館建設を実現させたと言えるのである。本稿は、初代神学館、ならびに2代目神学館着工に至るまでの消息や設計者の動向などをアメリカン・ボードの新資料を駆使して明白にしようとするものである。同時に研究上の課題をも指摘する。Through the use of the mission papers housed in the Houghton Library, Harvard University, this paper will investigate the details from the buying of the first theological hall, the No.30 Classroom to the raising of the second one, the Byron Stone Clarke Memorial Hall as well as the trends of the architect. This explanation will take place alongside focusing on topics from a research perspective.

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