著者
剱物 充 永山 善久
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 = The Journal of Japanese Physical Therapy Association (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.85-90, 2010-04-20

【目的】新生児医療センター(Neonatal Intensive Care Unit,以下NICU)入院時より理学療法(Physical Therapy,以下PT)を介入した超低出生体重児の運動発達の経緯とPTの効果について検討した。【方法】当院NICUに入院し,脳性麻痺がなく独歩獲得までフォローできた19例を対象とし,NICU入院時からPTを開始した群の特性を調査するために周産期因子8項目について対照群と比較した。次に,PT施行状況別に運動発達の経緯を明らかにする目的で,対象群をNICU入院時PT開始群,退院後の新生児科外来通院時PT開始群,そしてPT未施行群の3群に分類し,頸定から独歩までの各発達指標に到達した際の修正年齢を比較した。【結果】周産期因子の比較では,NICU入院時PT開始群において出生体重が有意に小さく,入院期間は長く,人工換気施行日数は多かった(p<0.05)。各発達指標に到達した際の修正年齢の比較では,有意差は認められなかった。【結論】超低出生体重児へのPT介入は,運動発達の遅れを取り戻すことに関与する可能性が考えれた。その機序の1つとして,抗重力パターンの体験や感覚機構への介入などを通し,筋緊張や姿勢動作パターンの修正を促す点が示唆された。

言及状況

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翻訳をどうぞ 我々の結果は,出生直後の抗重力訓練及び感覚系への介入からなる理学療法は超低体重新生児の筋緊張と姿勢に有益性(べネフィット)をもたらす可能性を示唆している。 以下の原訳とは合わせていません。上記はあくまで御提示英文の範囲での和訳です。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007610278

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