著者
桜井 富士朗 桜井 香代子 辻田 夏希
出版者
帝京科学大学
雑誌
帝京科学大学紀要 (ISSN:18800580)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.19-25, 2010-03-31

ニホンザルの内部寄生虫は、宿主であるニホンザル自体の疾病や死亡原因となるだけでなく、ヒト社会と生息域が重なることにより、公衆衛生上の問題として人獣共通感染症(zoonosis)の病原体ともなりうる。私たちは異なる生息地にすむ二つの野生ニホンザル群から糞を採取、分析、内部寄生虫保有率を比較した。調査対象は、人里に近い帝京科学大学に近接する山梨県大月市の野生ニホンザル群と、無人の宮城県金華山島の野生ニホンザル群である。大月群での内部寄生虫保有率は75%、金華山群では18,8%であり、主たる寄生虫は鞭虫(Trichuris sp.)であった。結果は、二つの群れの自然人為環境の違いが内部寄生虫保有率の違いに影響を与えていることを示唆する。

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