著者
小野寺 有子 坂上 大翼 松下 範久 鈴木 和夫
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-11, 2001-03-31
参考文献数
25
被引用文献数
1

高齢大型となった巨樹・老木が都市域でどのような生理的・外観的特性を示すかを明らかにする目的で、東京都区部に生育するイチョウ、ケヤキ、クスノキ、ユリノキおよびスダジイの胸高周囲長3m以上の巨木と1m以下の中径木を供試木として、水分生理状態、葉の養分濃度、クロロフィル量、クロロフィル蛍光、樹幹表面温度、フェノロジーの計測観察を行った。どの樹種でも、巨木の方が中径木より水分生理状態が悪く、カリウム、マグネシウム濃度が低く、クロロフィル量が少なかった。SPAD値は、スダジイを除く4樹種で巨木の方が中径木より低かった。クロロフィル蛍光には、巨木と中径木で差は認められなかった。巨木と中径木の樹幹表面温度の日変動を比べたところ、巨木の樹幹表面温度が高い傾向が認められた。また、どの樹種でも巨木の黄葉、黄葉終了、落葉が早く、黄葉-落葉期間が長いという傾向が認められた。開芽・展葉の傾向は樹種により異なっていた。巨木は中径木とは明らかに異なる生理状態やフェノロジーを示すといえる。

言及状況

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CiNii 論文 - 都市に生育する巨木の生理状態とフェノロジー特性 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007861086 定点カメラによる森林フェノロジー観測 【環境問題基礎知識】 http://www.nies.go.jp/kanko/news/29/29-3/29-3-04.html
「都市に生育する巨木の生理状態とフェノロジー特性」 http://ci.nii.ac.jp/els/110007861086.pdf?id=ART0009536716&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1375704545&cp= 

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