著者
谷口 慎次
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.109-124, 2009-03-01

谷川俊太郎は、幼少期から現在に至るまでテクノロジーに興味を持ってきたとしばしば発言してきた。本論では特に詩集『二十億光年の孤独』を含む初期作品におけるテクノロジーについて調査・考察を行った。それにより明らかになったことは、作品自体がテクノロジーに関係したテーマや要素を含んでいることの意義よりも、むしろ谷川のテクノロジーへの興味・関心が彼のディタッチメントな視点や態度を生成してきたことが重要であるという点であった。本論では加えて、「鉄腕アトムの主題歌」の製作の過程を見ることで、谷川の「鉄腕アトム」に対する役割の重要性やその後の彼の活動範囲の拡大について考える。

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