著者
小森 三恵 Mie Komori 千里金蘭大学 現代社会学部 現代社会学科
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
pp.34-42, 2010

本研究では,言語性ワーキングメモリ課題であるRSTを用いて,ワーキングメモリの容量制約がメタ認知的モニタリングのはたらきにどのように関与しているかについて検討を行う。大学生18名を対象に,RSTを実施し,ターゲット再生に対する確信度を測定した。その結果,処理資源に制約を受ける状況下においても,再生パフォーマンスの成否をモニタリングすることが可能であることが確認された。さらに,モニタリングによるメタ認知的判断がどのような要因に影響を受けるのかについて検討を加えた。RST得点による群間分析では,メタ認知的モニタリング機能はワーキングメモリ容量に影響される可能性が示唆された。また,ワーキングメモリにおけるモニタリング機能は,同じ文脈内で生じている別のモニタリング情報による干渉によって低下するが,処理資源に対する記憶負荷量が決定的な要因ではないことが明らかにされた。

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