- 著者
-
桑野 裕文
- 出版者
- 九州情報大学
- 雑誌
- 九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.93-102, 2011-03
- 被引用文献数
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1
大学では建学の精神・教育理念をもとに、ディプロマポリシ-(卒業認定・学位授与に関する方針)・カリキュラムポリシ-(教育課程の編成方針)・アドミッションポリシ-(入学者受け入れ方針)を内外に示し、PDCAサイクルの手法を用い教育を行っている。一方、文部科学省では、就職内定率の落ち込みが続くなか、大学生・大学院生の「就業力」の向上を目指し、今年度平成22年度(2010年度)より「就業力育成支援事業」をスタートさせた。この事業はキャリア教育に積極的な大学・短大を財政支援するもので、具体的には「職業について考える講座、企業へのインタ-ンシップと組み合わせた授業、学生への履修相談・助言への取り組み」などを想定している。各大学における就職指導・就職教育は従前より就職課を中心に行われ、最近ではキャリア教育(資格取得講座を含む)として全学体制で積極的に取り組んでいる。一部には大学がキャリア教育に力を入れることに対して「職業学校化する」・「大学は専門学校ではない」等々懸念する声がある。しかし、就職氷河期の現実を直視してかキャリア教育、とくに「初職に就くための就業力」の向上に積極的な大学が後を絶たない。そこで大学人の一員として、今回大学教育におけるキャリア教育について特に正課保健体育の役割について自問自答した。結果、キャリア教育に欠かせない「集団とコミュニケ-ション」は正課保健体育の目的であり方法であること、正課保健体育は、大学キャリア教育に欠かせないことを再認識した。