著者
野口 尚孝
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.61-68, 1995-05-31
被引用文献数
3

本研究の目的は,直接的にはデザイン発想支援の枠組みを明らかにすることであるが,それを通じて把握された限りでの,設計行為およびデザイン行為の本質および発想の構造をも明らかにすることを目指す。第1報では,普遍的な意味での設計行為と設計行為における発想の構造について述べたが,第2報(本報)では,これに基づき,設計行為の一側面としてのデザイン行為とデザイン行為における発想の特徴について述べる。デザイン行為の本質は,人工物の使用の場における使用者の感性的要求を充たすという目的のため,その実現手段として人工物の感性的機能を持つ属性の形式を決定することであると規定する。また,デザイン行為における発想は,形態イメージ探索の過程で発生し,その本質上,目的手段連関の一時的逆行における抽象から具体への落差が大きいことを指摘する。最後にデザイン行為およびデザイン発想における,これらの特徴に見合った発想支援の基本的な考え方を提起する。

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