- 著者
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邊 姫京
- 出版者
- 日本語学会
- 雑誌
- 日本語の研究 (ISSN:13495119)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.4, pp.79-94, 2010-10-01
秋田,東京,大阪,兵庫,熊本の5地域を対象に,10歳代から80歳代の話者を含む音声資料(2006-2007年収録)を用い,無声化の生起要因及び無声化生起率の年齢的変化についての考察を行った。分析の結果から無声化生起率はどの地域も音環境の影響を強く受けていること,無声化生起率と音調との関係については兵庫,大阪でもアクセントよりも音環境の影響が大きいことが確認された。無声化生起率にはほぼ全国的に世代差があることをすでに報告したが(邊姫京2007),本稿では,世代間の断層が秋田では60代と50代の間,熊本と大阪では40代と30代の間にあり,兵庫も40代と30代の間に断層がある可能性があること,しかし東京では明確な年齢的違いはないことが確認できた。また,20年前の資料との比較から同一コーホート(同年出生集団)の無声化生起率は,ほぼ同じであることが明らかになった。