- 著者
-
中家 陽子
- 出版者
- 日本きのこ学会
- 雑誌
- 日本応用きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13453424)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.1, pp.27-30, 2000-04-25
きのこは古来から重要な食材や薬材として日本人に好まれ,その需要を満たすためきのこの人工栽培法が開発されてきた.また,近年の輸送技術や交通網の発達,グルメブーム等により多種多様のきのこが世界中から大量に輸入されるようになった.とくに輸入マツタケは,原産国の多様化、輸入量の増大ともに瞠目させられる.これは,日本人に最も好まれていること,需要が大きいにも関わらず国内での供給が不足していることを示している.輸入きのこの種類と量は季節により変動し,日本の四季を反映している.また,グルメブームにのって日本に登場した珍しいきのこが日本の食卓に取り入れられ,定着している様子が窺える.日本初の24時間空港である関西空港には将来第2滑走路が完成する予定であり,これに伴う便数や路線の変化がきのこの輸入量や原産国に与える影響は興味深い.その一方で多様化・大量化する輸入きのこの衛生確保も重要な問題である.