著者
佐野 昌典 菅原 冬樹 田中 修
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.161-170, 2001-12-25 (Released:2018-04-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

シュレッダーで2ミリ角に細断した段ボールを,5種のキノコ,クモギタケ,ヒラタケ,エノキタケ,ブナシメジ,エリンギの栽培に,100パーセントおが粉に変わる素材として用いることを試みた.菌糸の増殖,子実体形成までの日数,子実体収量について,おが粉,段ボールを培養素材とした場合を比較検討した.その結果,クモギタケとヒラタケの菌糸増殖,子実体形成までの栽培日数,子実体収量は,段ボールの培養基材により,良い傾向が見られた.また,他の3種のキノコも,2種の培養基材により,培養日数に差が生じる傾向は見られなかった.しかし,段ボールの培地によって子実体収量が増加する傾向を示した.
著者
佐野 昌典 菅原 冬樹 田中 修
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.161-170, 2001-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
3

シュレッダーで2ミリ角に細断した段ボールを,5種のキノコ,クモギタケ,ヒラタケ,エノキタケ,ブナシメジ,エリンギの栽培に,100パーセントおが粉に変わる素材として用いることを試みた.菌糸の増殖,子実体形成までの日数,子実体収量について,おが粉,段ボールを培養素材とした場合を比較検討した.その結果,クモギタケとヒラタケの菌糸増殖,子実体形成までの栽培日数,子実体収量は,段ボールの培養基材により,良い傾向が見られた.また,他の3種のキノコも,2種の培養基材により,培養日数に差が生じる傾向は見られなかった.しかし,段ボールの培地によって子実体収量が増加する傾向を示した.
著者
岡村 徳光 濱田 和美 竹野 智美 奥田 展子 大杉 匡弘
出版者
Japanese Society of Mushroom Science and Biotechnology
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.189-195, 1999-12-25 (Released:2018-04-20)
参考文献数
11

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科ホームベーカリーを用いて5%マイタケを添加したパンを焼いたところ,標準のパンに比べ著しく体積と比容積が減少した.マイタケの添加は.パン酵母によるガスの発生に影響を与えた.発酵4時間後の卜ータルガス量は,標準生地の約2.1倍に増加した.発酵6時間後では,マイタケを含む生地の上部の表面にいくつかの穴が形成されていた.ガス発生はマイタケ中のグルコースとマンニトールの消費に伴って増加した.マイタケの添加は低分子の糖(発酵糖)の生産を増加させた.それゆえ,マイタケの添加は,酵母に対する栄養源としての発酵糖を供給し,このことは過剰なガスの発生を促し,生地表面に穴を形成し,そこからガスが放出するために,結果として,生地の体積が低くなるものと結論づけられた.したがって,全自動ホームベーカリーを使用した場合では,生地の表面に穴が形成することで,焼く前に生地が破壊し,体積が低く崩れた状態で焼かれるものと推測された.
著者
岡村 徳光 濱田 和美 竹野 智美 奥田 展子 大杉 匡弘
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.189-195, 1999
参考文献数
11

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科ホームベーカリーを用いて5%マイタケを添加したパンを焼いたところ,標準のパンに比べ著しく体積と比容積が減少した.マイタケの添加は.パン酵母によるガスの発生に影響を与えた.発酵4時間後の卜ータルガス量は,標準生地の約2.1倍に増加した.発酵6時間後では,マイタケを含む生地の上部の表面にいくつかの穴が形成されていた.ガス発生はマイタケ中のグルコースとマンニトールの消費に伴って増加した.マイタケの添加は低分子の糖(発酵糖)の生産を増加させた.それゆえ,マイタケの添加は,酵母に対する栄養源としての発酵糖を供給し,このことは過剰なガスの発生を促し,生地表面に穴を形成し,そこからガスが放出するために,結果として,生地の体積が低くなるものと結論づけられた.したがって,全自動ホームベーカリーを使用した場合では,生地の表面に穴が形成することで,焼く前に生地が破壊し,体積が低く崩れた状態で焼かれるものと推測された.
著者
高畠 幸司
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.167-170, 1998-12-25 (Released:2018-04-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1

オカラと米ぬかを種々の割合で混合してヒラタケ菌床栽培を行い,オカラの栄養源としての利用性を検討した.オカラと米ぬかを混合することにより,栽培所要日数は短くなり,子実体収量は増加した.特に米ぬか単独区に比べて栄養源中のオカラの割合が40〜80%の試験区では,栽培所要日数は約2週間短縮され,子実体収量は1.5〜1.8倍となった.オカラと米ぬかを混合することにより菌床培地のC/N比は低下し,改善された.これらのことから,オカラは米ぬかと混合して使用することによりヒラタケ菌床栽培の栄養源として有用であると考えられた.
著者
水野 卓 井出 範男 Sunee Sirivichayakul Praphan Phanuphak Kiat Ruxrunghh Mena Chueyam Sasiwimol Ubolym Supranee Buranapraditkum Somsong Teeratakulpisarn
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.55-64, 1998-07-31 (Released:2018-04-12)
参考文献数
16

タイ国のHIV-患者10名に対して,"微粉末霊芝"(日本産)の投与臨床試験を6ヶ月間実施した.その結果,本試験の現段階では,HIV-患者に対する霊芝の明確な有効性や効果は認められなかった.しかし,この治験に協力された10名の患者は全員存命であり,霊芝による顕著な有効性は認められなかった反面,現在(1996年12月),患者の病状に進展は認められていない.それ故に,今後は,霊芝から単離したテルペノイド類や免疫活性を示すβ-グルカンなどの多糖類などの活性成分についての臨床試験が望まれる.霊芝の熱水抽出エキスには,in vitoroでの免疫調節効果が認められ,軽度の免疫不全患者に対して免疫機能修復を示した.この効果は,T細胞表現型の変化またはT細胞機能の賦活によって達成されたものと思われた.ガンやHIVに感染した患者のような免疫寛容の起きた個人に対しては霊芝から分離された有効成分について試験すべきことを示すものと思われた.
著者
大賀 祥治 Wood David A.
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.171-174, 1998
参考文献数
8

九州大学北海道演習林の17,24,31,38および41年生のカラマツ人工林の伐倒後6ヶ月経過した根株を対象として,カイメンタケ子実体の出現頻度について検討した.子実体の出現頻度は樹齢が増すほど増加した.41年生林分で地位別に子実体の出現頻度を検討した結果,沢筋の方が尾根筋に比べ高くなった.
著者
中家 陽子
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.27-30, 2000-04-25

きのこは古来から重要な食材や薬材として日本人に好まれ,その需要を満たすためきのこの人工栽培法が開発されてきた.また,近年の輸送技術や交通網の発達,グルメブーム等により多種多様のきのこが世界中から大量に輸入されるようになった.とくに輸入マツタケは,原産国の多様化、輸入量の増大ともに瞠目させられる.これは,日本人に最も好まれていること,需要が大きいにも関わらず国内での供給が不足していることを示している.輸入きのこの種類と量は季節により変動し,日本の四季を反映している.また,グルメブームにのって日本に登場した珍しいきのこが日本の食卓に取り入れられ,定着している様子が窺える.日本初の24時間空港である関西空港には将来第2滑走路が完成する予定であり,これに伴う便数や路線の変化がきのこの輸入量や原産国に与える影響は興味深い.その一方で多様化・大量化する輸入きのこの衛生確保も重要な問題である.
著者
坂本 裕一 小倉 健夫
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本応用きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13453424)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.85-91, 2003-07-25

アミガサタケの栽培方法を確立するために,菌核の形成方法を検討した.アミガサタケは腐生菌の培養に用いられているバーク堆肥よりも,穀物を用いた培地の方が良好な菌核発生を示した.また,穀物培地を用いた場合,培地中に空隙があることが重要であることが明らかとなった.さらに,上段に貧栄養の土壌培地,下段に富栄養の穀物培地を重ねた二段培地上に菌核を移したところ,菌核がより大きく生長することが確認できた.菌核の生長は上段の培地がpH7.5の時が最も良かった.菌核は土などを巻き込みながら近くの菌核と融合して直径3〜4cm程度の大きさに生長し,子実体の発生には充分であると期待される大きさに達した.