著者
鵜野 将年 田中 孝治 平木 英治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.411, pp.7-12, 2011-02-03

DC-DCコンバータやインバータ等の電力変換装置は動作周波数ならびに商用周波数に応じたリップル電流を発生する.燃料電池を電力変換装置と接続して使用する場合,燃料電池には平均直流電流にリップル成分が重畳した電流が流れるため,燃料電池の電位は高周波で変動することになる.固体高分子形燃料電池(PEMFC)の主な劣化要因の一つとしてPt/C触媒の電気化学的表面積(ESA)の低下が挙げられるが,この劣化モードは電位変動時に顕著に進行することが知られている.本稿では電力変換装置との相互作用により発生する高周波の電位変動がPEMFCのPt/C触媒劣化に及ぼす影響の定性的評価を目的とし,発電ならびに非発電状態のPEMFCを高周波の電位変動環境に晒し,ESAの劣化傾向を観察した.電位変動周波数が低周波の場合は顕著なESA劣化傾向を示す一方,100Hz以上の高周波域では直流条件時と同等の低い劣化率を示した.本稿で得られた知見は電力変換装置の動作周波数の決定ならびにリップル周波数を規制する際に有用になるものと期待できる.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

#もちはりメモ http://t.co/dswr8rj4Td

収集済み URL リスト