- 著者
-
猿渡 俊介
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.111, no.68, pp.31-36, 2011-05-19
- 参考文献数
- 42
本稿では,オープンソースのソフトウェア無線ツールキットであるGNU Radioの仕組み,応用例,課題について紹介する.既存のソフトウェア無線の多くがFPGAで無線の物理層の処理を行っているのに対し,GNU Radioではパーソナルコンピュータ上で動作するPythonで無線の物理層の処理を行う.GNU RadioはC++で提供されたライブラリとPythonを密に連携させることでPythonの持つ簡便性,柔軟性を最大限に生かしつつもパーソナルコンピュータの性能を引き出すことに成功している.GNU Radioの登場により多様な専門背景を持つユーザが電波を簡単に扱えるようになったことで,広い分野で多くの研究成果が生まれ始めている.