著者
米地 文夫
出版者
岩手県立大学総合政策学会
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.109-125, 2010-05

宮沢賢治の未完の作品「銀河鉄道の夜」の多くの登場人物のうち、燈台守は最も印象的なキャラクターの一人である。この燈台守はヘルクレス座の近くで銀河鉄道の客室内に現れる。彼は黄金のリンゴを持ってくるヘラクレスであるとともに、賢治と同郷の花巻出身の農業技術者・島善鄰博士でもあり、なおかつ北上河畔に一人立つ賢治自身でもあった。ヘルクレス座には燈台のような変光星もあり、島博士はゴールデンデリシャスを北国から日本に初めて導入している。この燈台守挿話は賢治作品における重層的世界の典型例の一つなのである。

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