著者
瀬邊 啓子
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.29-49, 2012-03-01

文革期に知青文学がどのような過程で創作され、発表されるにいたったのか。この点を王小鷹の文革期の創作活動を通して、分析・考察を行った。王小鷹の処女作である「小牛」の創作・発表の背景から浮かび上がってくることは、知青文学については書き手が知青であり、一定の水準の作品が書けさえすれば、「誰でもよかった」ということである。そのため作品を書く知青の出身階級については、全く問題にされていなかったことが分かった。王小鷹は作家になりたいとも思っていなかったのだが、たまたま仲間たちと業余文藝小分隊を作り脚本などを書いていたために、編集者から原稿依頼を受けることになった。そうして文革期の文藝政策の変化に左右されながらも、編集者とともに何度も改稿を繰り返し、「小牛」については最終的には編集者が強引に審査を通す形ではあったが、作品発表にいたり、作家としての一歩を踏み出したのである。

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