著者
瀧 雅人
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4, pp.171-243, 2012

2009年にAlday、GaiottoおよびTachikawaによって発見された新しいタイプの「双対性」について概論したい.摂動的な計算結果の観察から、彼らはN=2四次元超対称ゲージ理論のインスタントン分配関数が、二次元共形場理論のVirasoro共形ブロックと解析的に結びついていることを見抜いた.すなわちこれは四次元ゲージ理論の分配関数と二次元共形場理論のカイラル相関関数が等価であることを意味している.つまり少なくともこれらのセクターにおいては、両理論の間に双対性が存在していることが強く示唆されている.このレビューでは、共形ブロックとインスタントン分配関数の組み合わせ論的計算手法を紹介する.その後でAlday-Gaiotto-Tachikawaの原論文に従い、AGT対応を発見法的に確認する.さらに、その他の双対的記述や弦理論との関係、あるいは証明の試みなどについても紹介したい.なお本稿は、2010年11月に東京工業大学素粒子論研究室で行ったセミナーの講義ノートを大幅に加筆したものである.

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