著者
福 知栄子
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.67-77, 1996

不登校やいじめ等学校生活をめぐって子どもたちの悩みはますます深まってきている。また、学校には生活保護家庭の子どもやひとり親家族の子ども、さらに虐待を受けている子どもなど様々な福祉問題を抱えている子どもたちがいる。こうした子どもたちの教育と福祉の問題に適切に対応して、豊かな子ども時代を確保し、その発達を保障していく必要がある。わが国においても学齢期の子どもたちへの教育と福祉の協働のサービス体系を作り上げる必要性が高まってきている。本稿では、学校をコアとした福祉ネットワークの存在する英国をとりあげ、子どもと家族のための援助サービスである教育ソーシャルワーカーの専門職としての役割を分析する。学校と家庭の中間にあって子どもと家族が抱える諸問題への援助を提供しつつ、子どもの教育保障において独自の役割を果たしている姿を明らかにし、わが国における教育と福祉の協働のあり方を考える上での示唆を得たい。

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