著者
壷井 彬 高橋 正子
出版者
日本経営分析学会
雑誌
年報経営分析研究 (ISSN:09110747)
巻号頁・発行日
no.28, pp.70-82, 2012-03-31
被引用文献数
1

企業の環境経営活動に対する定量的研究は,とくに内部管理活動の分野において発達した。一方で,企業の開示情報を外部から分析・評価するという立場からの定量的な環境経営分析は必ずしも進んでいるとは言えない。本研究では,環境会計情報を有効に活用して企業の環境活動を分析する方法を提案する。特に事業エリア内の活動について,環境会計情報として開示される投資額とその効果の分析方法を研究対象とする。環境保全効果を貨幣尺度で認識し,過去の環境保全コストと環境負荷物質排出量データの蓄積を利用することで,企業ごとの環境保全活動の進捗状況を表す「環境経営ステージ」を考慮した新たな分析モデルを提案し,検証する。これにより,環境会計情報を基軸とした各社の環境経営の分析を,より現実に即した,個別の状況を反映した形で行えるようになる。

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