著者
山田 方敏 蜂谷 豊彦
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.43-61, 2012-05-01

資金制約と投資水準の理論および内部資本市場の理論に基づいて,個別事業部門および多角化企業全体の投資決定に関して理論的な考察を行い,財務的視点からその妥当性を実証的に検証した.多角化企業における資金供給曲線は部門内調達,部門間調達(内部資本市場)および外部調達から構成される.部門内調達による投資水準は部門自身が創出する内部資金と固定的投資支出に依存する.これに対し部門間調達による投資水準は内部資本市場の効率性に依存する.内部資本市場の効率性は内部資金として各事業部門から供給される資金の大きさと,部門間あるいは経営者と部門との情報の非対称性に依存して決定される.妥当性を検証した結果,内部で創出する資金が多い時および内部資本市場の効率性が高い時に投資水準は高くなること,内部資金の創出が豊富あるいは固定的投資支出が少なく内部資本市場に供出される資金が多い時に内部資本市場の効率性が高いこと,資金供給の多様性が高い時に内部資本市場の効率性が高いことが明らかになった.

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3.部門間の資金需要の多様性が高まると、収益性の低い投資機会への資金移転が大きくなる。4.内部資本市場の効率性が高ければ、投資の水準が高い。 山田・蜂谷[2012] http://t.co/yKdKAezD0g
1.内部資金創出が大きく、固定的投資支出が小さければ、内部資本市場の効率性は高い。2.事業部門間の資金供給の多様性が高まると、内部資本市場の効率性が高い。 山田・蜂谷[2012] http://t.co/pv5nwQ5qwT

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