著者
横山 和平 河野 伸之 丸本 卓哉
出版者
土壌微生物研究会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.3-7, 2005
参考文献数
13
被引用文献数
1

Nostoc属シアノバクテリアは強い耐乾性を持ち,多量の細胞外多糖質を分泌し,土壌表面にゼリー状のアグリゲート(以下,イシクラゲ)を形成する。緑化資材への加工工程やその後の保存,あるいは現場での施用において考えられる各種物理的・化学的ストレスに対するイシクラゲの耐性について検討した。湿潤状態では,暗黒処理で活性が消失した。低温処理は光合成活性ではなく,増殖速度を低下させた。イシクラゲの光合成は広い範囲のpH(pH3〜pH9)でほぼ一定だった。湿潤状態における粉砕処理はイシクラゲの活性を低下させた。風乾状態で粉砕した場合には,湿潤化後の光合成活性には影響なかった。1mm以下の微小な画分以外では,土壌表面にイシクラゲを散布すると土壌の乾燥が抑制された。これらの知見は,イシクラゲの加工工程を設計する上で,基本的な情報となるものである。

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