- 著者
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熊谷 慎一郎
- 出版者
- 社団法人情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.9, pp.385-390, 2012-09-01
東日本大震災から1年余りが経過した。本稿では,まず,宮城県内の公共図書館を中心に被災状況について,地震とそれに伴う津波による図書館の被災状況を概観する。そして,地震発生直後の行動について,県内の公共図書館等の情報収集行動と図書館情報システムに係る行動の大きく二つの行動を振り返る。宮城県図書館が行った県内公共図書館の被災状況の情報収集には,普段公共図書館等とのコミュニケーションの場として利用しているグループウェアの活用があったことを指摘する。また,図書館情報システムの復旧過程における行動を宮城県情報システムに係る業務継続計画(i-BCP)に沿って振り返る。これら大きく二つの行動は,ICT(情報通信技術)が図書館活動になくてはならないことを確認し,ICTを活用した情報支援の取り組みと今後の災害に備えるための検討を行う。