著者
熊谷 慎一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.797-807, 2012 (Released:2012-03-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

東日本大震災の発生から9か月あまりを経過した現在,被災した宮城県内の公共図書館を中心に被害状況・復旧状況を概観する。震災による被害は,地震に伴って発生した大津波による被害だけではなく,地震の揺れによる建物被害もあり,このことがあまり一般に報道されていないことを指摘した。宮城県図書館は,県域の公共図書館への復興支援として,各種事業を間接支援・直接支援という大きく2つの軸で展開した。これらの事業の主なものを紹介する。中でも,南三陸町図書館の再開までの支援について,詳細に取り上げる。さらに,県立図書館が,支援者と受援者の間で機能する役割を担っていることを明らかにし,中間組織の必要性を検討した。何が課題としてあるのかを指摘し,今後,大規模災害が発生した時に必要な支援のあり方について,現時点での考察を試みた。
著者
熊谷 慎一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.797-807, 2012
被引用文献数
1 1

東日本大震災の発生から9か月あまりを経過した現在,被災した宮城県内の公共図書館を中心に被害状況・復旧状況を概観する。震災による被害は,地震に伴って発生した大津波による被害だけではなく,地震の揺れによる建物被害もあり,このことがあまり一般に報道されていないことを指摘した。宮城県図書館は,県域の公共図書館への復興支援として,各種事業を間接支援・直接支援という大きく2つの軸で展開した。これらの事業の主なものを紹介する。中でも,南三陸町図書館の再開までの支援について,詳細に取り上げる。さらに,県立図書館が,支援者と受援者の間で機能する役割を担っていることを明らかにし,中間組織の必要性を検討した。何が課題としてあるのかを指摘し,今後,大規模災害が発生した時に必要な支援のあり方について,現時点での考察を試みた。
著者
熊谷 慎一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.385-390, 2012-09-01

東日本大震災から1年余りが経過した。本稿では,まず,宮城県内の公共図書館を中心に被災状況について,地震とそれに伴う津波による図書館の被災状況を概観する。そして,地震発生直後の行動について,県内の公共図書館等の情報収集行動と図書館情報システムに係る行動の大きく二つの行動を振り返る。宮城県図書館が行った県内公共図書館の被災状況の情報収集には,普段公共図書館等とのコミュニケーションの場として利用しているグループウェアの活用があったことを指摘する。また,図書館情報システムの復旧過程における行動を宮城県情報システムに係る業務継続計画(i-BCP)に沿って振り返る。これら大きく二つの行動は,ICT(情報通信技術)が図書館活動になくてはならないことを確認し,ICTを活用した情報支援の取り組みと今後の災害に備えるための検討を行う。