著者
野崎 愛 小林 正秀
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-121, 2004

カシノナガキクイムシの穿入を受けて枯死したミズナラを用いて食用きのこの栽培を行った。枯死木の幹または枯死木から採取した1mの丸太に,シイタケ菌,ナメコ菌,クリタケ菌を植菌したところ,丸太だけでなく枯死木の幹に植菌した場合でも子実体が発生した。いずれの食用きのこも,枯死木の地上高2m以下の幹から採取した丸太からの子実体発生量は,地上高2m以上から採取したものより少なく,カシノナガキクイムシの穿入量が多い幹下部はこれらの食用きのこの栽培に適さないことが示唆された。シイタケ菌を伐倒4日後と3ヶ月後の丸太に植菌した結果,伐倒4日後のほうが子実体発生量が多かった。また,カシノナガキクイムシ共生菌の菌糸伸長を阻害する能力が異なる3つのシイタケ菌を枯死木の幹または枯死木から採取した1mの丸太に植菌した結果,菌糸伸長阻害力が最も高い東北S10の子実体発生量が最も少なかった。以上のことから,カシノナガキクイムシ穿入枯死木は食用きのこの栽培に利用できるが,東北S10の子実体発生量が少なかったことから,多くの子実体を得ることとカシノナガキクイムシの脱出抑制を同時に実現することは困難と考えられた。

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カシノナガキクイムシによる被害木のキノコ栽培の利用について超簡単にまとめると、 https://t.co/ergUplSZyf (2001年) https://t.co/Xxk8PfxJFO (2004年) から、被害木の原木栽培(特に下部)の収量に有意差は認められなかった。
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