著者
西野順二 西野哲朗
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-02-25

大貧民プレイヤプログラムなど不完全情報ゲームでは他プレイヤの手の情報を推定することが重要と考えられるが,局面によっては推定の必用が無い場合もある.本稿では不完全情報ゲームの性質を計る指標として偶然手番感度を提案し,これを用いて多人数不完全情報ゲームの大貧民の特性を調べることを目的とする.偶然手番感度は,相手手札の可能性を決める偶然手番がある場面での着手の利得に与える影響度であり,情報集合に含まれる局面可能性による利得の振れ幅を数値化したものである.大貧民を縮小した単貧民について,2人から5人に2から5枚を配布し合計12枚の全ての配布パターンについてその完全探索結果から,相手手札の可能性に対して最適着手は変わらず,偶然手番感度が低いことを示した.53枚5人プレイヤにおいても,モンテカルロシミュレーションによる推定利得から偶然手番感度を求める実験によってやはり偶然手番感度が低いことを示した.

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