- 著者
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神宮 英夫
- 出版者
- 日本味と匂学会
- 雑誌
- 日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.2, pp.157-162, 2012
- 参考文献数
- 6
香りによって行動が改善される可能性を明らかにするために、情意との関係を考えた3つの研究を紹介する。これらは、認知症の高齢者への音楽療法と徘徊を抑える試み、および言語治療場面の研究である。各々の研究において、香りの強さは、刺激閾から認知閾程度の弱いものを使用したが、弱い香りにおいても行動改善の効果が認められた。このことから、認知症の高齢者や赤ちゃんなどのように、言語によるコミュニケーションが難しい場合に、官能評価以外で香りの効果を評価する方法として、行動変化を利用できる可能性が示唆された。