著者
長谷川 博
出版者
近畿作物・育種研究会
雑誌
作物研究 (ISSN:1882885X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-6, 2012

原子力発電所の爆発事故により放出された放射性セシウム(Cs)の環境への影響を理解し,環境中から除去するための基礎として,Csが植物の生育に及ぼす影響と放射性Csの吸収と蓄積に関する遺伝変異を明らかにした.Csはカリウム(K)のアナログとして挙動するが,10μMという低濃度で植物の生育を阻害する.CsはKと拮抗的に作用することから,Csの生育阻害効果はKの存在下では低減すること,Csの吸収がKの存在下では低下するなどの現象が報告されている.放射性Csの蓄積に関して種間差異が認められており,テンサイなどアカザ科の作物のCs含有率が高かったという報告がある.根から吸収されたCsは茎葉部,ことに若い葉に多く分配される.以上の報告を考えあわせてファイトレメディエーションを利用した放射性Csの環境中からの除去の可能性と問題点について考察した.

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長谷川 博 Hasegawa Hiroshi 滋賀県立大学環境科学部作物研究 (57), 1-6, 2012近畿作物・育種研究会
長谷川 博 Hasegawa Hiroshi 滋賀県立大学環境科学部作物研究 (57), 1-6, 2012近畿作物・育種研究会

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