- 著者
-
石倉 透
鈴木 仁士
松浦 孝紀
大西 英生
中村 利孝
上田 陽一
- 出版者
- 産業医科大学学会
- 雑誌
- 産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.4, pp.315-321, 2012-12-01
生体にとって疼痛に対する生理的防御反応は極めて重要である.我々はアルギニンバゾプレッシン(arginine vasopressin: AVP)を緑色蛍光タンパク(enhanced green fluorescent protein: eGFP)で標識したAVP-eGFPトランスジェニックラットおよび神経活動の指標として汎用されているc-fos遺伝子産物であるFosタンパクを赤色蛍光タンパク(monomeric red fluorescent protein 1 : mRFP1)で標識したc-fos-mRFP1トランスジェニックラットを作出し,侵害受容反応を可視化することに成功した.これらを用いて疼痛ストレス負荷時におけるAVP系の生理的役割を解明することを手がかりに,作業関連疼痛の新たな病態解明を目指している.これまでの遺伝子改変動物を用いた侵害受容反応に関する知見を述べる.