著者
大成 博文
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.63-68, 2013-07-31

高専創立から今日までの50年間を振り返り,そこに形成された根強い構造的問題を究明するとともに,そこから学ぶべき教訓を明らかにした.まず,専科大学への名称変更を特徴とする「高専危機論」の解明を通じて,高専の将来を自分たちで考え,自分たちで決めるという「自立」の大切さを学んだ.また,高専当初における超過密の詰め込み教育の反省を踏まえ,高専生の発達に則した教育内容を自主的研究に基づく内発的実践の重要性を指摘した.さらに,高専固有の「教育と研究の対立問題」が高専教員の自立を阻害したことを示し,この対立を「教育と研究の両立」によって実践的に解決することの重要性を明らかにした.最後に,テクノセンターを核にして地元の中小企業と親密な連携を特徴とする「地域に根ざした高専づくり」が考察され,とくに企業との共同研究の成功と実績づくりにおいて,高専における総合的な研究力の向上に重要な役割を果たすことを示した.

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