著者
大成 博文 前田 邦男 松尾 克美 山原 康嗣 渡辺 勝利 石川 並木
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1163-1168, 2002-02-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
2 7

New techniques for oyster cultivation at Hiroshima bay are investigated using sea water micro-bubbles.The present results indicate some new aspects that the device of sea water micro-bubble generated about 51/min air discharge. under the water depth of 10-15m. By generating micro-bubbles, the salinity of sea water in the surface layer increased about 13% and the water temperature decreased about 2°C in the oyster farm in summer. Finally, the oysters which had been named “Waka” about thirty years ago were restored to the original state by using sea water micro-bubble technique.“Waka oyster” grew up rapidly for about a half year and had a rich constituent of glycogen.
著者
大成 博文
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.63-68, 2013-07-31

高専創立から今日までの50年間を振り返り,そこに形成された根強い構造的問題を究明するとともに,そこから学ぶべき教訓を明らかにした.まず,専科大学への名称変更を特徴とする「高専危機論」の解明を通じて,高専の将来を自分たちで考え,自分たちで決めるという「自立」の大切さを学んだ.また,高専当初における超過密の詰め込み教育の反省を踏まえ,高専生の発達に則した教育内容を自主的研究に基づく内発的実践の重要性を指摘した.さらに,高専固有の「教育と研究の対立問題」が高専教員の自立を阻害したことを示し,この対立を「教育と研究の両立」によって実践的に解決することの重要性を明らかにした.最後に,テクノセンターを核にして地元の中小企業と親密な連携を特徴とする「地域に根ざした高専づくり」が考察され,とくに企業との共同研究の成功と実績づくりにおいて,高専における総合的な研究力の向上に重要な役割を果たすことを示した.
著者
大成 博文 高橋 正好
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

マイクロ・ナノバブル技術を用いて,閉鎖海域における海洋生物の蘇生と海洋環境の水質浄化に関する研究を行い,以下の成果を得た.(1)マイクロ・ナノバブル発生装置を開発し,マイクロ・ナノバブルの直径と上昇速度を計測した.その結果,1〜10μmの気泡径を有する「マイクロナノバブル」の存在を確認するとともに,「マイクロバブル」から「マイクロナノバブル」へと収縮する過程を詳しく検討した.(2)マイクロ・ナノバブルの発生装置の内部について高速度撮影を行い,マイクロ・ナノバブルの発生が秒速400回転程度の旋回速度で発生し,その静電摩擦によって,マイクロ・ナノバブルの物理化学的特性が生まれるという「サイズ効果」の存在を明らかにした.(3)マイクロ・ナノバブルの生理活性効果を見出し,それが,2枚貝のみならず,人体においても発生することを明らかにした.とくに,マイクロ・ナノバブルの供給によって,通常の2倍前後の血流促進効果を見出した.(4)マイクロ・ナノバブル技術を水産養殖に適用し,広島カキ養殖,北海道ホタテ養殖,三重真珠養殖における成果を系統的に検討した.また,その技術的成果における課題を明確にした.以上を踏まえ,マイクロ・ナノバブルによる水環境蘇生技術の可能性と展望を明らかにした.
著者
大成 博文 田頭 昭二
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

マイクロ・ナノバブル技術を用いて、大量微細生物の超高速粉砕・水処理システムの開発研究において、以下の主要な成果を得た。(1)マイクロバブルは、収縮して「マイクロナノバブル」へと変化する。その際、マイクロバブル内から気泡が噴出することによって気泡が動揺しながら上昇する。(2)マイクロバブルの収縮に伴って、負の電位が増加する。とくに、気泡サイズが40μmよりも小さくなると急速に負電位が増加し、そのピークは10〜30μm前後である。(3)マイクロバブルは収縮の最終過程で光熱反応を起こし、自発光する。その発光色は青白いことから、相当の高温で発光してしることが推測された。(4)マイクロバブルを生物に供給することによって、生物の体内では特別の生理活性作用が生まれる。この活性によって、生物の斃死防止、成長促進、抗加齢が可能となる。また、微生物においては、大量の増殖やその制御が可能となる。さらに、マイクロバブルの濃度を制御することによって、細菌の除去や洗浄、殺菌が可能となった。(5)マイクロバブルの発生装置を改良することによって、大量微細生物を瞬時に粉砕・切断することが可能となった。(6)マイクロバブルを排水内に供給することによって、排水処理槽内の微生物を約2倍に増加させることによって、アンモニア性窒素の硝化を大幅に促進させることが可能となった。以上の成果を踏まえ、マイクロバブル技術を利用した各種水処理システムの方法を新たに開発した。
著者
都並 結依 大成 博文 大成 博音 山本 孝子
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.3-8, 2008-05-20
被引用文献数
2

超高速旋回式で発生したマイクロバブルのほとんどが収縮してマイクロナノバブルへと変化する.この区別は,その収縮速度差の相違でなされる.マイクロバブルの収縮の原因は,発生時の負圧形成が引き金となり,発生後の周囲水の加圧とその収縮過程における内部気体の噴出および溶解することにある.マイクロバブルの収縮パターンには3つがあり,その形成にも収縮時の内部気体の噴出が関係している.マイクロバブルは,ダム貯水池下層の無酸素水域に注入することで有酸素化による水質浄化に有効である.