著者
原田 洋一郎
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
東京都立産業技術高等専門学校研究紀要 (ISSN:18831990)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.50-60, 2013-03

本稿では,石見銀山御料の小規模な港町,宅野浦における廻船商売がどのように展開したかについて,ほぼ18 世紀を通じて廻船商売を営んだ商家,増屋の史料を用いて具体的に検討した.宅野浦は,江戸初期の石見銀山盛期に,そこで用いられる鉄道具の原料となる鉄の集荷と関わって形成されたとみられる.江戸中期における増屋の廻船商売は,出雲西部や石見銀山御料の日本海沿岸の港町を介して鉄を集荷し,大坂方面へ廻送することを中心としていた.これは,この港町が,鉄の集散との関連で発展したことをうかがわせるものであった.また,石見銀山御料の鉄の生産と流通においては,鉄生産地と港町を結ぶ者,御料内の各港町と大坂など遠隔地の市場とを結ぶ者の分業と連携が重要な役割を果たしていたことが明らかとなった.

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