著者
青木 祐樹 城 仁士
出版者
人間・環境学会
雑誌
MERA Journal=人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-8, 2010-03-31
被引用文献数
1

本研究は、従来の心理的領域に関する実験に視線のずれという条件を加え、視線のずれが心理的領域に与える影響について検証を行った。また、性格特性によって視線のずれが心理的領域に与える影響の大きさは異なるのではないかという仮説から、向性と対人恐怖心性を用いて検証を行った。その結果、主に以下の3点が明らかになった。1)接近者から視線をずらされているとき、被接近者は120cmより遠い距離帯の全ての方向に対し、「居心地」の心理負荷が軽減されている。同様に、接近者は視線をずらしているとき、210cmより遠い距離帯で「居心地」の心理負荷が軽減されており、その影響は被接近者が接近者から視線をずらされているときよりも大きい。2)視線のずれが「会話」の心理負荷に与える影響は小さく、主に接近者の正面方向での全距離帯でわずかに会話をする距離として相手を遠く感じさせる。3)向性の高いグループ及び<目が気になる>悩みが小さいグループは、向性の低いグループ及び<目が気になる>悩みが大きいグループよりも、視線角度0°・120〜180cm程度の距離帯において、多くの条件で「居心地」の心理負荷が小さい結果となった。つまり、性格特性によって、近距離で視線を合わせた状態での「居心地」の心理負荷が異なる可能性が示唆された。

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