著者
北村 清一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.115-120, 2013

プロジェクトマネージャーは,プロジェクトのゴールを達成するために必要な職位・経験,スキル,コンピテンシー,モチベーション等からプロジェクトチームを編成する.しかし,編成したプロジェクトチームにおいて,個性の違いの理解不足や非生産的な作業の割り振り方により,メンバー間で様々なコンフリクトが生じ,ストレスが増大することで生産性が低下してしまう.プロジェクトチーム編成には,(1)スキルベースのチーム編成の問題,(2)コンピテンシーが同一メンバーの問題,(3)コンピテンシーとプロジェクト特性のマッチングの問題の3つの問題がよく発生する.本論文では,FFS (Five Factors & Stress)理論の考え方を応用して,人の思考行動パターンやストレス要因を把握し,成果を生み出すチームを編成する手法を提案する.さらに,システム開発プロジェクトにおける実践的な作業割り振りをすることで,生産性を高める手法も提案する.FFS理論によって可視化されたメンバーの思考行動パターンを相互理解することで,コンフリクトの発生数を減少させ,メンバー間で各自の強みを活かしていく相互協力を促すことができる.プロジェクトの成功確率を高める一つの鍵は,プロジェクトマネージャーが職位・経験,スキルのようなハード面よりも,コンピテンシー(パーソナリティタイプの強みによる行動特性)のようなソフト面をより重視し,コンピテンシーを発揮できるようにプロジェクトチームを編成して作業を割り振る事である.この手法を用いる事で,過去のいくつかのプロジェクトにてチームの生産性を向上させることが可能となった.

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