著者
田代 聡
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.276-279, 2014-03-13

将来的な元号の変更において,迅速かつ正確に対応する必要がある.しかし,金融間システムにおいて元号の取扱いは多岐にわたるとともに,そのシステム対応においては,膨大なコストと期間が必要となるケースがある.今回は,元号変更に係わるシステム対応の見積もりプロセスから,コスト削減及び,品質保証に向けた取り組みを報告する.
著者
佐藤 雅明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.371-373, 2009-03-10

江戸時代に加賀藩は190回も参勤交代のため金沢と江戸の間を往復した.参勤交代道中は正に近世のプロジェクトといえる.道中経路には様々なリスクが潜在し,計画した旅程を困難にする.特に親不知の海岸路と大きな河川の通過は安全の確保と到着期日に影響を与える.参勤交代のプロジェクトチームは計画を予定通り遂行するため,堅実なリスク・マネジメントを実行していたことが判明した.本稿ではリスク・マネジメントの実態を報告する.
著者
足達 直 平野 健一 疋田 久子 山中 敦 田中 恵美
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.24-29, 2011-04-15

アジャイル開発は計画を重視するウォーターフォール開発に比べ,人と人との交流と協調,動作するソフトウエアなどを重視するソフトウエア開発手法である.ウォーターフォール開発よりも近年に考案され,重厚長大な開発手法よりも軽量で,システム構築に発生しがちな変化に対応しやすいと言われている.しかしながら,今後ミッションクリティカルなシステム構築にアジャイル開発を適用していくためには,ウォーターフォール開発での品質管理と同様にアジャイル開発でも品質管理を成熟させ,顧客満足を獲得していく必要がある.現状ではアジャイル開発における品質管理手法として体系化されているものは少ないと思われるため,まずはウォーターフォール開発における品質管理のプラクティスを適用できないかどうか検証する.本稿ではプロジェクト適用の実例を通し,オフショア連携における品質管理の取り組みについて説明する.また,ウォーターフォール開発の品質管理で利用されるメトリクスと今回実施した管理手法で算出されたメトリクスを比較し,評価する.
著者
瀬戸 淳
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-8, 2006-02-15

佐賀藩は1850年以降,長崎港警備強化のため築地に大砲製作所を設け,反射炉技術を採用し,射程の長い強力な鉄製大砲を開発製作することを目論んだ.この鉄製大砲を開発製作するために特別プロジェクトを設置して,独立組織のチームを作り,その製作に成功し,新設の砲台に配備した.ここでは,プロジェクトの組織と開発の工程について考究するものである.
著者
除村 健俊
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-37, 2006-02-15

プロジェクトを円滑に進めるためには,プロジェクトマネジメントスキルやプロジェクトマネジャーの能力に加え,プロジェクトを支える組織プロセス,ツール,知識・情報などが整備されていることが重要である.IBMでハードウェアやソフトウェア開発で使われている統合製品開発"IPD(Integrated Product Development)"はこの基盤を提供する体系であり,また製品開発の統合マネジメント・システムである.このIPDにおいて製品開発プロジェクトを経営における投資と考え,開発チームは投資に対するリターン(製品の完成と事業収益)をコミットメントする.そして,経営者と開発チームの間で契約を結ぶと考え,経営者は開発チームに必要な経営資源の使用許可を与える.このような関係はビル建設における投資家と建築請負業者の関係で説明することができる.本稿では製品開発プロジェクトに対する投資,コミットメント,契約という考え方を基礎とし,プロジェクトマネジメントの基礎知識を援用することでIPDを構成するコアとなる考え方が導けることを示す.
著者
原田 奈美
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.17-22, 2003-02-15

ITエンジニアの「メンタルヘルス」が問題になっている.人的資源はプロジェクトマネジメントにおいて非常に重要であり,スキルをもったメンバーが十分に能力を発揮することが,プロジェクト成功の鍵である.そのためには,プロジェクトマネージャー自身がITエンジニアの心の状態(メンタルヘルス)についての知識をもち,良好な状態を保つよう対策を取らなくてはならない.しかしながら,メンタルヘルスやメンタルケアについて,IT業界の特性を考えた取組みが足りないように思われる.本稿では,ITエンジニアのメンタルヘルスの現状と原因,対策としてのメンタルケアについて述べる.さらに,プロジェクト管理領域の一つとして,PM自身がメンタルケアの必要性を認識し,この分野の知識を持つこと,貴重な人材を失わないための取組みについて提言する.
著者
大森 一矢
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.56-61, 2001-03-12

「品質マネジメント研究会」の研究対象としては、品質に関するグローバライゼーションの動向としてISO・9001s(2000)の改定内容と、アメリカの「シックス・シグマ戦略」についての調査研究を継続し、これまでの発表においてその概要を紹介してきた。「シックス.・シグマ戦略」の理念や全般体系については、日本においても図書や技術雑誌等において、しばしば紹介されてきたが、具体的な手法(tool)については殆ど触れられてこなかった。今回、アメリカから「シックス・シグマ教育図書」としての2000頁にも及ぶ下記の図書を入手したので、品質管理技法の観点からその具体的手法(tool)について検討を行い、日本における対応についての問題事項を探ると共に、その対策についての方策を取り纏めた。(これまでに入手した図書) Mikel Harry Ph,.D.著: 「シックス・シグマ : 世界的な最優秀企業に革新させる戦略的マネジメントの進撃作戦」 以下:V1書と称す 約280頁 第6版 (1997) Mikel Harry Ph,.D.著: 「未来像:シックス・シグマの展望 : 進撃のための道標」 以下:V2書と称す 8分冊: 約1800頁 第5版(1997) Mikel Harry Ph,.D.著: 「シックス・シグマの特性」 (モトローラ社の文書) 以下: M書と称す 約25頁 (作成年次・不詳)
著者
丹羽 展男
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.218-223, 2005-03-17

IT開発プロジェクトの「開発規模見積り」は,ソフトウェアエンジニアリングの永い歴史のなかでも未発達の分野である.それにはさまざまな背景が存在すると考えられるが,「人月」と「要員単価」という基準のみで「総開発金額」を提示してきたことが,裏目にでて値段だけの競争になっている.IT開発プロジェクトの費用には,絶対にかかる費用の部分は誰が見積ってもほとんど同じように見積られるべきである.そして,その見積りに付加価値としての品質保証やプロジェクト管理等の費用を加えて競争することが望ましい.そこで,当論文では筆者の30年間の経験等を基に正確でわかりやすい「開発規模見積り」の方法をまとめたので,ソフトウェアのフリーウェアのようにみんなで改善して確立させるために詳細をオープンにする.
著者
小野 尚明 高畑 瑠璃 坂部 中 押野 結花
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.135-137, 2013-03-13

プロジェクトを進めていく過程では日々様々な不測の問題が発生しており,プロジェクトメンバはそれら問題に対して優先度を付け都度対応していかなければならない.一方で対策に用いることのできる人的,時間的,金銭的資源には制約があることが多く,特に経験知が少ない若手においては解決できない問題に直面することが往々にしてある.本稿では,すごろくを利用した経験知を共有する手法を提案するとともに,その効果を検証した.
著者
内堀 俊和
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.421-426, 2008-03-14

我々の研究会は歴史上の人物や出来事からPMへの貴重な教訓を得ることを目的としている.今回,日本の戦国時代(正式には安土桃山時代)において有名な出来事の一つである羽柴秀吉の「中国大返し」プロジェクトを報告する.1582年,京都近辺において本能寺の変が起きた時,秀吉は中国地方(日本の西部)にある高松城で孤立していた.しかし結局のところ,秀吉は,暗殺された親分信長の仇を素早く討って,天下統一の扉を開いていったのである.いかにして秀吉は窮地を脱し,形勢を逆転させたのであろうか?私はこれらの点についてPMの観点から考察を行った.今報告において数冊の文献を参考にしたが,あくまでも歴史上の人物や解釈に関する力点はPMの視点に置いたものである.
著者
冨永 章 木野 泰伸
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.35-37, 2007-06-15

研究会として新しく「パーソナルPM研究会」が設立された.パーソナルPMとは,ここでは「個人の目標達成にモダンPMのノウハウを適用すること」で,大勢に役立つ内容を追究すべく活動を開始した.この研究会の目的の1つはパーソナルPMをモダンPMの1領域として確立することである.本稿で,目的,対象分野,狙い,活動方針について報告する.
著者
石原 信雄
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, 2002-12-15

石原氏は,官僚組織のトップである内閣官房副長官として在任期間7年3ヶ月,7人(竹下,宇野,海部,宮澤,細川,羽田,村山)の総理に仕え,自民党-日本新党-新政党-社会党の政権交代という政治の激動の時期に立ち会われてきました。今回の3周年記念シンポジウムでは,国政の中枢にある内閣官房の運営における重要な政策決定の背景や経緯について,「内閣における重要政策の決定プロセス」という題目でご講演いただきました。
著者
佐藤 建吉 小野 正則
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.168-173, 2002-02-26

本論文は多くの市民による風力発電事業を行うためのビジネスモデルを提案している。グリーン・プレミアム・カードGPCが風力発電所建設資金を集めるために導入されており, グリーン・コミュニティが同時に形成される。GPCによるベネフィットがクレジットカード会社, 協賛会社, およびグリーン・コミュニティから提供される。このコミュニティは京都議定書, 環境税, 地域エコマネーの動向にもとづいて進んだ環境社会を形成するために寄与できる。
著者
冨永 章
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.90-95, 2013-03-13

組織の統率者に求められるニーズが,過去にマネジメントからリーダーシップへと変化したように,リーダーシップ自体に求められる内容も時代や世相に応じて変化する.本稿では人々の興味の動きを明らかにし,個人PM(パーソナルPM)がPM全体と今後のリーダーシップにどう役立つかを述べる.これまでに整理されてきた個人PMの体系を,リーダーシップ理論の2軸の観点で点検する.また,世界のインターネット検索量の推移を用い,パフォーマンス面と心の面のバランスの動きにフォーカスする.これらにより,今後のPMとリーダーシップに向けて個人PMがなぜ重要かを説明する.
著者
佐々木 智章 横山 真一郎 関 哲朗
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.33-38, 2000-09-25

ベンチャー企業創成時, 企業には資源や信用が無い. そして, それが無いことによって経営不能に陥る要因が多数ある. よって, 経営不能に陥る要因を洗い出し, それに対する対処方法をもとに経営を行っていく必要がある. 本研究では創業してから約1年になる小規模自転車店の実務経験を通じて, ベンチャー企業創成時の成否構造について分析を行っている. 今回は創業時に行った経営不能をトップイベントとしたFTAに対し, 現在どのように問題点に対処し経営を行っているのかを中心に述べていく. 一方, 近年情報技術(IT)の進化によってi-モード, Webなどをはじめ, 汎用性のある様々なコミュニケーションツールが出現してきた. 本研究ではそれらITの効果的な活用方法についても言及する.
著者
河合 一夫
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.340-345, 2007-09-20

プロジェクトマネジメントは,計画立案,実施,監視,是正というPDCAサイクルで実施することを原則としている.しかし,近年のプロジェクトは技術革新の速さやステークホルダー間の調整が複雑になるなど,プロジェクトマネジメントを計画通りに実施することが益々困難なものとなっている.刻々と変化する状況において計画の実施状況を可視化し共有することはプロジェクトマネジメントにとってより重要となる.本論文では,プロジェクトマネジメントにおける可視化を状況論的なアプローチから整理するとともに可視化の方法について考察する.
著者
細谷 和伸 山本 美子
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.101-104, 2007-03-15

当社では,CMMIをベースに改善したプロセスを全社に展開してきた.CMMIレベル3相当のプロセスは全社に浸透してきたが,まだオーバーランを引き起こすケースがまれに生じている.オーバーランを引き起こしている主な要因は,提案・見積・契約などの上流工程に存在することが多い.そこで,上流工程の一部である見積りに焦点をあて,見積り精度を改善する実践ノウハウと一般的な見積り技術を融合した社内の標準的な見積りモデルを構築し,ガイドを整備して社内展開を図ってきた.本稿では,今回の見積り標準モデルの構築やガイドの整備で考慮した点を中心に紹介する.