著者
二神 真美
出版者
名古屋商科大学
雑誌
NUCB journal of economics and information science (ISSN:13466097)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.217-230, 2014-08

本論文は、サステイナブル・ツーリズム指標(STI)に関する国際的な事例研究の一環として、欧州連合(EU)が構築した「持続可能な観光地経営のためのヨーロッパ・ツーリズム指標システム(ETIS)」について、EU の観光政策の進展と関連づけながら論じたものである。同システムは、STI の世界的規準及び欧州委員会が開発した既存の中核的指標をベースとし、観光地が持続的経営を行なうために活用できるツールを提供しようとするものである。指標開発においては、観光地経営、経済的価値、社会・文化的影響、環境への影響といった4つの規準による包括的なアプローチが提示されている。その背景には、持続可能で高品質の観光地としてのヨーロッパの地域ブランドを確立し、国際的な競争力を高めようとするねらいがある。日本においてもSTI の構築と地域適用が具体化しつつある中、STI 開発の先進地域であるEUの実情と課題を知ることは意義あるものと考える。

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