- 著者
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田中 高史
- 出版者
- 国立極地研究所
- 雑誌
- 南極資料 (ISSN:00857289)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.89-107, 2014-07-31
私は第24次日本南極地域観測隊に参加し,昭和基地でのオーロラ観察から,サブストームを学んだ. 以来30年,そのとき観察したサブストームのイメージを数値シミュレーションで再現する研究を続けてきた.この研究では,まずM-I(magnetosphere-ionosphere: 磁気圏-電離圏)結合系全体を自己無どう着的に再現し,その部分としてサブストームの再現をめざした.はじめは観察されるサブストームの具体的な様相までは再現できなかったが,最近の高精度並列シミュレーションにより,当初の目標が達成された.これまでの磁気圏物理学の限界は,部分を見て全体を連想する点であったが,シミュレーション結果は3次元プラズマ,磁場,電流構造をすべて保持しており,それらの解析から,これまで連想していた磁気圏の全体構造と,それを反映するサブストームメカニズムのどこに誤りがあるか,わかるようになった.このためのキーワードはダイナモである.なお学術的な詳細は第2編に述べる.