著者
中山 昭彦
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.13-27, 2000-11-10

赤木桁平の遊蕩文学批判を契機に巻き起こるこの論争は、当時、隆盛をきわめていた人格主義を、文学作品の評価へと応用する契機となるだけではない。それとともに、当時、売れていると認識されていた長田幹彦らの小説を、枠付け差別化するための基準の"創出"という側面をもっている。そしてそれは、「通俗小説」というジャンルの緩やかな成型を促すとともに、その対極におかれる「芸術小説」の再定義の機会をなすものである。

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CiNii 論文 -  "遊蕩文学撲滅論争"の問題系(<特集>近代文学におけるカノン形成) https://t.co/CJgubrNoeR

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