- 著者
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母利 司朗
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.10, pp.10-17, 1998-10-10
十七世紀初頭、今までの余興的な俳諧の楽しまれ方と並行して、連歌の会にならった、正式な晴の俳諧会がおこなわれるようになった。そのような席で巻かれた俳諧連歌の中の<俳諧>そのものをよみこんだ句には、ものあんじ顔な連衆や、下手連歌・下手連歌師、古風なぬるい俳諧をからかい、揶揄するような句が少なくない。連衆たちは、このような句の笑いこそを会席で期待し、そこから後の宴席でゆたかな<咄>がうまれてきたと考える。