著者
平野 英史
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.35, pp.427-439, 2014-03-20

小論では,阿部七五三吉の手工教育論における玩具観の推移を分析考察した。特に,明治末期から昭和初期における教科課程案とその立案に関する主張に着目して研究を進めた。結果,阿部が円熟期に提案した実践方法には三つの特徴が認められた。第1は,阿部が教科課程の改造を進めるにあたり,玩具的な内容を教科の中心として位置づけ,子どもの興味を「遊び」から「研究」へと移行させる構造を重視したこと。第2は,教科課程において中心的に扱った玩具にかかわる内容が,理科を応用した教材であったこと。第3は,阿部による教科課程の編成方法の影響が,教え子である山形寛に見られたこと,であった。

言及状況

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「左様な手工は『遊び』其事に教育的立場があるものと考える。(中略)作った其物は結局おもちゃにすぎなくとも,其作業には, 教わった物理や,美に関した技術が漸次積極的に表現される」 阿部七五三吉の手工教育論における玩具観の展開 https://t.co/sDD7xloyZP

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