著者
山口 幸祐
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.29-42, 1992

《暗夜行路・前篇第一》に関しては、従来、作者志賀直哉と親友里見[トン]の生活史に即して読まれることが多かったが、《阪口の小説》を中心にした謙作と阪口の関係は作品固有の論理に支えられた意味と機能を担っていることを冒頭文の《下らない人物》と《清々しい気持》に注目することによって考え、また、それに関連して、「暗夜行路」成立の重要な契機になったと作者自ら言う《不義の児》設定には、青春の性の罪に対する処罰の意味があることを論じた。

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