- 著者
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関 礼子
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.1, pp.14-24, 1991-01-10
今日自明の理として流通している作品の唯一無二の起源としての「作者」という考えを退けるならば、「作者の復権」以前にまず「作者とは何か」が問われなくてはならないだろう。今日、テクスト論、読者論等によって「作者」は解体されつづけてきたが、それらの脱構築の試みの中にも「性的差異(ジェンダー)」という視点は脱け落ちていたように思われる。ここでは初期一葉を例にとって「作者」「テクスト」「性的差異」について考えてみる。