著者
網谷 厚子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.24-31, 1990

『竹取物語』の作者が読み得るだけの漢籍を読み、当時の現実もふまえ「仏の御石の鉢」がガラス製であるとイメージし、そこから「石つくり」の名を考えついたこと。また、大伴のみゆきの大納言がかぐや姫のために用意した家は、奈良時代から平安時代にかけてあり得るものであったこと。「羽衣」は中国においても「天上的」なるものの象徴であり、『竹取物語』の作者の独創とは言い難く、「天の羽衣」は「尼の羽衣」でもあったのではないかということ。以上三点について論じてみた。

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