著者
松浦 良充
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.63-71, 2005

「教育」の捉え直しを徹底するために、「学び」論へ迂回する戦略がある。私たちの学会でも、近年そうした観点からの議論が一つの水脈をつくってきた。今回の松下氏のフォーラム報告はそれをより確実なものにすることに貢献している。松下氏と筆者は、ともにこの流れにおける問題意識を共有している。ただし議論のアプローチや方向においては、かなりの距離を見出せる。この水脈を継承し、いずれは松下氏と共同戦線を組み、今後の議論を豊かにしてゆきたい。そのためまず、筆者の「Learningの思想史」構想への松下氏によるコメントに対して応答した後、松下報告への問題提起を行う。論点は、大きく2つ。第1は、松下氏の議論の立て方に関して。具体的には、まずその二律背反的な枠組みの問題であり、さらに主張の歴史(思想史)的検証性の問題である。第2の論点は、松下氏の「生としての学び」という展望について。具体的には、表象にとらわれずに「学ぶ」ということ、そしてその「学び」を認知するメカニズムについて。さらに、「生としての学び」をどのように学校教育システムのなかに実現するのか、という問題である。

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