- 著者
-
辻川 知伸
薮田 火峰
荒川 正泰
林 晃司
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.114, no.130, pp.45-49, 2014-07-03
従来の制御弁式鉛蓄電池に代わる次世代の通信用バックアップ電池として、大容量リチウムイオン二次電池の開発を進めている。通信用バックアップ電源においては、満充電に近い電圧でフロート充電を行いながらスタンバイ状態を維待しなくてはならないため、長寿命および極めて高いレベルで安全性を担保する必要がある。また、データセンタ用バックアップ電源においては、短時間バックアップが要望されるため、極めて大電流で連続的に放電させる必要がある。本検討では、ホスファゼン系難燃剤を添加した電解液とマンガン元素の一部をマグネシウムに置換した正極材料を用いて100Ah級電池を構成した。フロート寿命試験を実施した結果、25℃の使用環境下では約7年の寿命を期待できることがわかった。また、放電試験を実施した結果、電流5CAで定格容量の95%を放電できることを確認した。さらに、安全性の確認のため過充電試験および釘刺し試験を行った。その結果、電池は破裂、発火することがなかった。