著者
檜垣 祐子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 = Journal of Tokyo Women's Medical University (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.147-150, 2015-10

アトピー性皮膚炎は小児に多いありふれた疾患で、通常、思春期前に軽快するが、一部の症例では思春期から成人に至るまで遷延する。このような症例では、心理社会的ストレスが主な悪化因子となっており、そのおもなものは、職場や家庭における人間関係の問題である。ストレス因子は不適切な対処行動としての掻破行動を誘発し、皮疹の悪化を招く。治療にあたっては、ストレス対処スキルの向上を目指すとともに、この掻破行動の修正が重要で、行動の問題としての掻破行動が減ることで皮疹は著明に改善する。アトピー性皮膚炎から派生する問題ではステロイド忌避が大きい。アトピー性皮膚炎患者が精神疾患を合併する場合は、メンタルケア科との併診が必要である。

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