著者
有川 順子 檜垣 祐子 高村 悦子 川島 眞
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1107-1110, 2002-07-20 (Released:2014-12-27)
被引用文献数
1

眼瞼を含む顔面の皮疹が高度で,顔面へのステロイド外用量が5g/月程度のアトピー性皮膚炎患者25人を対象とし,経時的に眼圧の測定を行い,ステロイド外用療法の眼圧への影響を検討した.その結果,開始時に1人(4%)で軽度の眼圧上昇を認めた以外は,7カ月~2年8カ月の観察期間中,眼圧の上昇は認めず,前述の1例ではその後眼圧がさらに上昇することもなかった.より多数例での検討を要するものの,今回の検討からは,顔面へのステロイド外用療法はミディアムクラス5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはなりにくいと考えられた.
著者
泉 美貴 檜垣 祐子 檜垣 祐子
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本邦では, 多くの女性医師が早期に離職しており, 昨今の医師不足の一因である可能性があるが, その詳細なデータは存在しなかった. 本調査は2校の私立医科大学を卒業した女性医師全員に郵送法によるアンケート調査を実施した. 離職を経験したことのある女性医師は73%に達し, その85%が卒後10年以内に離職していた. 原因は, 妊娠・出産との両立の困難な労働環境であった. 一方, 常勤の女性医師で, 助手以上の役職に就いている医師は, 12.4%, 教授は1人もいなかった. 女性医師が継続的な就労を可能とする労働環境の整備が急務であると考えられた.
著者
有川 順子 檜垣 祐子 高村 悦子 川島 眞
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1107-1110, 2002-07-20
参考文献数
18
被引用文献数
2

眼瞼を含む顔面の皮疹が高度で,顔面へのステロイド外用量が5g/月程度のアトピー性皮膚炎患者25人を対象とし,経時的に眼圧の測定を行い,ステロイド外用療法の眼圧への影響を検討した.その結果,開始時に1人(4%)で軽度の眼圧上昇を認めた以外は,7カ月~2年8カ月の観察期間中,眼圧の上昇は認めず,前述の1例ではその後眼圧がさらに上昇することもなかった.より多数例での検討を要するものの,今回の検討からは,顔面へのステロイド外用療法はミディアムクラス5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはなりにくいと考えられた.
著者
檜垣 祐子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 = Journal of Tokyo Women's Medical University (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.147-150, 2015-10

アトピー性皮膚炎は小児に多いありふれた疾患で、通常、思春期前に軽快するが、一部の症例では思春期から成人に至るまで遷延する。このような症例では、心理社会的ストレスが主な悪化因子となっており、そのおもなものは、職場や家庭における人間関係の問題である。ストレス因子は不適切な対処行動としての掻破行動を誘発し、皮疹の悪化を招く。治療にあたっては、ストレス対処スキルの向上を目指すとともに、この掻破行動の修正が重要で、行動の問題としての掻破行動が減ることで皮疹は著明に改善する。アトピー性皮膚炎から派生する問題ではステロイド忌避が大きい。アトピー性皮膚炎患者が精神疾患を合併する場合は、メンタルケア科との併診が必要である。
著者
檜垣 祐子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1215-1220, 2017 (Released:2017-12-01)
参考文献数
23

皮膚疾患は社会生活のさまざまな場面に影響し, 患者のQOLを低下させる. 種々の皮膚疾患特異的QOL評価尺度を用いて, 成人患者のみならず, 小児患者のQOLや患者家族のQOLについても調査できるようになった. 皮膚疾患患者のQOLを考える場合, 皮膚特有のかゆみや, 否定的なボディイメージをもたらす外見の問題は必須の要素となる. 皮膚疾患が及ぼすQOLへの影響に関する研究はもとより, 治療のアウトカムの指標としてもQOLが重視されているが, いずれも臨床的に意味のあるQOLの変動であるかを考慮する必要がある. 近年では治療の費用対効果の指標にQALYが用いられている. 診療の現場では個々の患者のQOLを把握し, 治療に生かす視点が大切である.