- 著者
-
金澤 裕之
- 出版者
- 日本語学会
- 雑誌
- 日本語の研究 (ISSN:13495119)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.2, pp.133-140, 2015-04
近代語研究の進展に貢献し得る比較的新しい資料に、いわゆるSP(平円盤)レコードを音源とする各種の録音資料がある。しかしこの資料に関しては、言語(特に、話しことば)の研究にとって重要な要素である「音声」を有しているという事実があるにも拘わらず、その活用という点では、必ずしも十分な成果がもたらされていないというのが、客観的に見た現在の状況である。そこで本稿では、録音資料に関するこれまでの経過、並びに、最新のニュースや試みの実態を詳しく伝えるとともに、録音資料のこれからの可能性について言及する。