著者
Julie Brock ジュリー ブロック
巻号頁・発行日
2002-03-01

加藤周一を世に知らしめた1955年の論文『日本文化の雑種性』における、日本文化の雑種性、フランス文化の純粋性という二項対立を見直し、雑種性の概念の普遍性を主張した。まず、加藤周一の思想の根底にある比較文化研究者としての視点を解明するために、なぜ「雑種性」が加藤周一の業績の根幹であるかという理由を述べ、そこに展開される思想の概略をまとめた。その上で加藤と同じ方法論に立脚しながら「雑種性」の中核をなしている文化の雑種性という概念の普遍性を証明し、それが現代の若い世代にとってもなお、より豊かで創造的な社会の基本原理であることを指摘した。京都工芸繊維大学 工芸学部研究報告 第50巻 人文(2001) pp.167-175

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