- 著者
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富樫 純一
- 出版者
- 筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科日本語学研究室
- 雑誌
- 筑波日本語研究 (ISSN:13424793)
- 巻号頁・発行日
- no.5, pp.70-91, 2000-08-31
談話において、文中の要素に「ですね」という形が付加される場合がある。単なるつなぎ言葉、あるいはポライトネスの標識として位置付けられ、見過ごされがちな形式である。しかし、この非文末の「ですね」は、コーパス調査による傾向の分析では、心内の情報処理との密接な関わりが指摘できる。その観点から、非文末「ですね」の機能を次のように記述する。(a)検索処理をモニターする(b)自分のturnが非円滑に展開する(している)ことを示し、会話参与者に配慮する