著者
茂木 清夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.p401-428, 1985

過去数10年にわたる大きい地震及び近年の徴小池震の線状配列から,男鹿半島と牡鹿半島を通って東北地方を横切る北西-南東の活構造線の存在が推定される.海底地形や地殻変動のデータもこの存在を示唆する.1983年の日本海中部地震は,この構造線が日本海東縁の構造境界に会合するという特異な場所で起ったもので,その余震の分布の特徴もこのことを示している.日本海溝,男鹿半島-牡鹿半島構造線,日本海東縁の構造境界及び北海道と本州の間の境界によって囲まれた地域が一つのブロックを形成し,これが東西圧縮応力場にある.日本海中部地震はこの東西圧縮応力が特に集中しやすい所に起った地震であり,ここでは日本海側としては例外的に大きい地震がくり返し起ってきた.1978年宮城県沖地震の震源域では大地震が頻繁に繰返し発生しているが,ここも男鹿半島-牡鹿半島構造線が日本海溝沿いのSubduction Zoneに達したという構造的に特異な所である.

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